強化子について

 さて、今日は強化子(きょうかし)についてお話をしたいと思います。前回、「行動の強さ(回数や時間、大きさなど)が強まることを強化」と大ざっぱに説明しましたが、行動が強まる為には何らかのできごとが必要だと思われます。

 

 例えば、主婦の花子さんのお家の近所にA、Bという2つのスーパーがあったとします。A店、B店で売っている商品の種類や価格も同じで、更に家からの距離も同じであったために、花子さんはほぼ半々の割合でA店、B店に買い物に行っていました。ところが、ある日、A店のお肉屋さんが頑張って更に安くて美味しいお肉を販売するようになりました。そして、B店も同時期により安くて新鮮な野菜を店頭に並べるようになりました。花子さんの家族は、お肉よりも野菜が好きであったために花子さんはB店に行ってみました。すると、本当に新しい野菜がお値打ち価格で売られていたので、その日を境に花子さんはB店に買い物に行くようになりました。つまり花子さんは、B店に行くように「強化」されたのでした。

 

 長い例になってしまいましたが、花子さんのB店に行く回数はどうして増えたのでしょうか?何が花子さんの行動を「強化」させたのでしょう?お分かりのように、「B店では安くて新しい野菜が買えるから」ですね。つまり、「安くて新しい野菜が買える」という結果が、「B店に行く」という行動を強めているのです。そして、この例ですと、その「安くて新しい野菜が買えるという結果」がB店に行くという行動を強めている「強化子」となっているのです。つまり、強化子とは、「行動を増やす為のプラスな結果(できごと・もの・かかわりなと)」と言えるかもしれません。ただ、ここで大切なことは、強化子が人によって異なるということです。先の例ですと、野菜好きな花子さんにとっては、B店に行って新鮮な野菜をお値打ち価格で買えることはとても素敵なことですが、お肉好きの知子さんにとってはB店よりもA店の方が非常に魅力的でA店に行く回数が増える(強化)かもしれません。ですから、例えば、お子さんに対して、「もっと回数ができるようになって欲しい」と思うことがあり、その行動を強めるための結果となる強化子を選ぶ際には、「お子さんにとって魅力のあるもの・かかわり」を探すことが大切になるのです。

 

 長くなってしまいましたが、次回は、強化・強化子に関してよく聞かれる以下の3点つの感想や疑問について考えていきたいと思います。

①望ましい行動を増やしたいからといって、モノでつるのは動物のしつけのようで抵抗がある

②子どもにワイロをあげているようで、そんなクセがついてしまいそうで困る

③強化子をあげるのを止めると望ましい行動はなくなってしまうのではないか?

 

                                               北村 龍二