強化・強化子に対する感想、質問ーその2

 少し間があいてしまいましたが、今日は強化・強化子に対する感想・質問の2ということで、

②「強化子として子どもにモノをあげるのはワイロみたいで抵抗がある」という感想について考えたいと思います。この感想は、お母さん方からとても多く聞かれます。ですから、できるだけ分かりやすく報酬とワイロの違いを説明したいと思います。

 

 例えば、子どもとスーパーに行って困ってしまったAさんについて考えてみましょう。

Aさんの子どもは6歳の男の子のBくんです。Bくんは、スーパーで今まで見たことのない新しいお菓子を見つけました。そして、Aさんに「買って!」とせがみました。でも、Aさんは、別のお菓子が家にあったので、「今日は買いません」と伝えました。Bくんは泣き叫んで駄々をこねます。はじめのうち、「買いません!」と繰り返していたAさんですが、周囲の目もありとうとう「今日だけよ!」と折れてそのお菓子を買ってしまいました。さて、次に買い物に行った時、ほしいお菓子があったらBくんはどうするでしょうか?おそらく、「駄々をこねて買ってもらう」という流れになると思います。

 

 これは、強化子がワイロになってしまった例です。では、強化子を報酬として用いるにはどうしたら良いのでしょうか?上の例ですと、スーパーに行く前に、例えば、「買い物の間はお母さんの側にいます。それができたら、車に戻った時に好きなポケモンシールを1枚貰えます。」というような約束をBくんとしておきます。そして、B君が約束を守れたらシールをあげます。その結果、B君の「買い物中にはお母さんの側にいる」という行動が増えたとします。この場合は、シールがワイロではなく報酬となっています。では、どこに違いがあるのでしょうか?

 

 最初の例では、もしB君が、「お母さんの側にいる・駄々をこねない・走りまわらない」などの「社会的に望ましい行動」をしたとしても「何かを買って貰える・誉められる」等のB君にとってプラスな結果は何も起こりません。つまり、B君にとっては、「泣き叫ぶ」等の「社会的に望ましくないこと」をする方が欲しいものが手に入る可能性が高いのです。では、事前に約束をした例ではどうでしょう?B君は、「望ましい行動」をすると欲しいものが手に入ります。ですから、「良い行動が強められる」という結果が生じるのです。

 

 以上のことを大ざっぱにまとめますと、①「その場の望ましくない行動をやめさせる為にあげたモノ」はワイロとなる可能性が高く、②「事前に約束をした望ましい行動に対して与えるモノ」は報酬となると思われます。何故なら、①は望ましくない行動をしないかぎりモノが貰えないからです。例えば、①②を大人にあてはめてみますと、②は「9時から5時まで月に20日働くと20万円の給料が貰えます」という社会的に望ましい流れ(報酬)になりますが、①の場合ですと、「会社で大声を出すのをやめるなら20万円支払う」という社会的に望ましくない流れ(ワイロ)となってしまいます。つまり、強化子は、「報酬」にも「ワイロ」にもなる可能性はありますが、「社会的に望ましい行動ができた時に強化子」という流れつくることができれば、それはワイロではなく、社会的にも認められた「報酬」となるのです。

       

                                                    北村 龍二

                                           

                                             

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コメント: 1
  • #1

    セラピスト (日曜日, 03 6月 2012 02:55)

    物の強化子を使う場合、ほめ言葉や笑顔等を同時に呈示することで最終的に社会性強化子だけでも行動が持続することを説明しないと動物のショーと同じになってしまうのでは?